フランス㉓ ハッとする新鮮さ! ! りんごの礼拝堂
のどかなノルマンディの田舎に 廃墟と化していた16世紀に建てられた 小さな礼拝堂。
1987年ここを訪れた日本人のアーチスト、田窪恭治さん。
屋根は破れ、床は朽ち果てていたこの礼拝堂を見て強くひかれ、ここを美術作品として再生することを 決断したそうです。
田窪さんは、一家でこの地に移住し、11年の歳月をかけて再生に取り組み、
礼拝堂を「りんごの礼拝堂」としてみごとによみがえらせました。
フランスは世界3位のりんごの生産国、その7割以上をノルマンディ地方が生産しているそうです。
壁画にはそのノルマンディ特産のりんごが 描かれ、この礼拝堂は、いつしか「りんごの礼拝堂」として話題にのぼるようになったそうです。
中に入ると、側面の壁・・・・すべての白い壁一面に りんごの絵が描かれていました。
こじんまりとした礼拝堂ですが、この絵のすがすがしさに 圧倒されてしまいます。
窓から入るやさしい光。
このりんごの描き方は独創的で、壁に鉛の板を張り、その上に赤、黄、青、緑、白などの色々な色を重ね、何層も顔料の層を作り、削っていくことで、この微妙な色を表現しているのだそうです。
独特な線の美しさです。
このみずみずしさ! !
壁の白と調和するように、床には黒い鉄板が
使われていました。
礼拝堂の奥に こんな場所がありました。
祈りを捧げる場所でしょうか。
色ガラス瓦から、やわらかい陽射しが差し込み、あったかさが伝わってきます。
外から見ると 屋根瓦の代わりに 彩やかな色の透明ガラスが、並んでいます。
前からあった使える瓦はそのまま残し、それ以外の部分は特注のガラス瓦を使っている そうです。
この組み合わせがとってもすてきでした。ステンドグラスのように側面からではなくて、
天井の屋根に色ガラスがあるので、所々から差し込む彩かな光がやさしく礼拝堂を包んでいます。
礼拝所の壁には、りんごの花が描かれていました。
礼拝所の脇の部屋に ここを訪れた人たちのための雑記帳がおいてありました。
今年も、たくさんの日本人が訪れています。外国語の記載も多くありました。
一番奥の小さな部屋には、田窪さんが改修に取り組んだ経過、色々な人達が協力して関わった様子の記録や 写真が展示されていました。
11年という年月を経て修復されたこの礼拝堂・・・・・一つ一つの経過を肌で感じることができ・・・・・・ジーンとくるものがありました。
この礼拝堂再生の感動的な記録は、NHKやフジテレビ、雑誌などに紹介されおおきな反響を呼びました。
名も無き日本人アーティストに新しい表現の場を提供したこの村の人達にはもちろん、 フランス全土の人たちにも深い感銘を与えたそうです。
ずうっと訪れてみたかったりんごの礼拝堂・・・・
この田舎の雰囲気、素朴な礼拝堂の外観、礼拝堂の中のハッとするような新鮮なりんごの絵・・・・・何もかもすばらしかったです! !
田窪さんの強い情熱・・・・・礼拝堂の隅々から・・・伝わってきました。
来るのが大変だったけど、来れて良かった! !
明日はフランス第2の都市、星の王子さまの作者、サンテグジュペリの生まれた町、リヨンに行きます。
りんごの礼拝堂・・・・・大変苦労して行きした。
参考になればと思い、メモを加えておきます。
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パリ サンラザール 8時45分 カーン行インターシティ
↓
カーン 10時53分
バス カーン 12時28分
↓
ファレーズ 13時21分
バス ファレーズ 17時30分
カーン 18時27分
IC カーン 18時54分
サンラザール 20時46分
インフォメーション→ファレーズのお城入口左手にあり、
そこでタクシーを呼んでもらう。
タクシー料金は良心的で25€でした。