バルセロナの旅 7 ・・ バレンシアへの日帰り旅

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12月29日(火)
 朝、4時半に目覚め、シャワーを浴びた。外はまだまだ暗い。ランブラス通りでは若者が数人、道に座り込んで、おしゃべりしている。本日はバレンシア行きだ。バルセロナからは350Km、往復700Kmの小旅行だ。ミージが、「バレンシア行きは東京から名古屋に行き、金の鯱を見て、味噌カツを食べて帰ってくるようなものだ」と言った。さてさて、どんな旅になることやら・・・・・・。


 バレンシアはオレンジで有名だが、年に一度の火祭りは盛大らしい。スペインの三大祭りの一つと言われ、3月に行われる。また、サッカーのバレンシアFCもよく知られている。近くのプニョーレでは、8月にトマトを投げ合う過激なトマト祭りも行われている。今は、時期外れだけれど、祭り会館を見て、バレンシアオレンジを食べ、地中海の暖かい風に吹かれて帰って来よう。


 メトロでサンツ駅に向かった。サンツ駅は切符の予約取りに2度も来ている。セキュリティチェックを済ませ、11番ホームのAlacant行のユーロメット(時速200Kmの新幹線のような列車)に乗った。

 ちょうど7時の発車、当初は、地中海の青い海、広大なオレンジ畑・・・・そんな車窓をイメージしていた。しかし、外はまだ暗い。その変わり、車内サービスが充実していた。飛行機のように、チョコレートなどのお菓子、朝食、コーヒー、映画鑑賞などのサービスが付いているのだ。食事は暖かくて美味しかった。うれしい。

 8時半頃から、うっすらと左方に海が見え出し、右方には、色々な工場が並んでいる。バレンシアは地中海で最も物流の多い港の一つとのこと。工業も盛んな街だ。郊外には、フォードやマツダの工場もあるらしい。濃い緑、淡い緑の畑も広がり、早朝から大勢の人が野菜の収穫をしていた。ポツポツとオレンジの畑も見え始め、オレンジの葉の緑の濃いこと。海はまだ雲がかかっていたので、薄いグレーだ。
 10時12分、バレンシア・ホアキン・ソローリャ駅に到着、新しいコンクリートばりの駅だ。

 私たちはまず、帰りの電車のチケットを買った。購入の際、窓口のスタッフが、「バレンシアは駅が二つある。旧駅のノルド駅と、ここの新駅、ソローリャ駅だ。くれぐれも間違いないように。バルセロナ行の列車はこの駅から出るから」と、親切に説明してくれた。地図上でノルド駅中心の観光を考えていたので、ここでアドバイスをもらい、助かった。本当に親切だ。


 火祭り会館は主な観光スポットの反対側にあった。このガイドブックでは、詳細な道順はわからない。歩くと30分ぐらいの距離らしい。時間がもったいないので、タクシーを利用した。タクシーに乗ると地図上の感覚と全然違う。地図上では、ノルド駅まで10分程に見えたが、かなりある。一方通行のせいもあるだろうが、それでも歩けば30分ぐらいはかかりそうだ。火祭り会館に至っては、一時間ぐらいはかかりそうな距離だった。タクシーで良かった。 街路樹はずーっとオレンジ、実がたくさんなっていた。

 火祭りとは、大小様々な張り子人形の出来栄えを競い合い、華やかな女性たちの献花パレードも行われる祭りとのこと。競争に負けた人形たちは、祭りの4日目の夜に、市庁舎前の広場で、一斉に火をつけられ、燃やされる。その数、350体もあるらしい。大きい人形は、ビルの5~6階の大きさにもなるというから、圧巻だ。会館には、各年の最優秀作品で、展示可能な人形や祭りのポスターが並んでいた。

 第一次、第二次大戦、スペインの内戦中にも行われたようだ。内戦の時には、この街はフランコ将軍に包囲され、バレンシア語が禁止になったとのこと。そんな状況下でも、祭りは開催されている。各々の時代、世相を反映した、ユーモアたっぷりの人形たちの表情や、皮肉たっぷりのテーマがとてもおもしろかった。


 会館を出ると、通りの向こうにバレンシアの新しいスポット、芸術、科学都市が広がっている。バレンシア生まれの建築家の作品とのこと。オペラハウスやヨーロッパ最大の水族館などもあるらしい。

  私たちは、、タクシーで旧市街に向かった。途中、日本の学習塾「公文」の塾があったので写真を撮った。

 道沿いにゼラニウムの花壇が色とりどりの花を咲かせていた。

 ブーケ゛ンビリアも咲いている。

 ビルヘン広場の前でタクシーを止めてもらい、カテドラルに向かった。中世の雰囲気が残っている。

 カテドラルは15世紀ごろに建設されたゴシック建築とのこと。中の美術館には、キリストが最後の晩餐で使ったと言われている聖杯が納められていた。
 カテドラルの角にあるミゲレテの塔の階段を登った。とても急な階段で、下から元気な子供たちが登って来るので息つくひまがなく、ハアハアしながらようやくてっぺんにたどり着いた。
 街を見渡すと、すぐ前にスペインでは最大規模の市場が見える。ノルド駅の脇には円形の闘牛場が見えた。これから行く予定のイスラム王宮跡、ラ・ロンハも市場のすぐ隣に見える。整い過ぎない中世の古い町並みがベージュ色に落ち着いて、のどかな感じがした。大まかな位置を確認し、カテドラルを出た。


 目の前はレイナ広場。カフェが軒を連ねていた。ちょうどお昼時、心地よい日差しを浴びながら大勢の人が思い思いの昼食を食べている。ちょうど通り沿いに空席があったので、席を確保し、念願のバレンシアのオレンジジュースとオレンジのサラダを注文した。朝食を2度食べてしまったので、あとはサンドイッチ。さすがにおいしい。みずみずしい。太陽もあったかい。サングラスをかけ、深呼吸をし、この空気も味わった。

 通りでは、馬に乗った女性警官がさっそうと通り過ぎていく。

 市場の中に入った。生ハム、魚介類、野菜、果物、ナッツ類、香辛料、ハーブなどが色鮮やかに並んでいる。

 ナスやピーマンは予想をはるかに超えた大きさだ。

 ニワトリは頭ごと毛を取って売っている。スペイン風のタイルと、地中海ブルーの手作り石鹸、バレンシアオレンジ入りの小瓶のジャムを買った。


 市場を出るとすぐ前にロス・サントス・ファーネス教会がある。これも中世な感じ、風情がある。。

 教会のすぐ後ろには、世界遺産に登録されているラ・ロンハがある。ここはイスラム王宮の跡に15世紀後半に建てられた絹の商品取引所とのこと。この古城のような建物は「海の領事の広間」「塔」「柱のサロン」「中庭」に分かれているらしい。
 この大広間には、海の領事の裁判所が置かれていた。スペイン初の商事裁判所とのこと。

 この天井がすばらしい。フアン・デル・ポヨという人が作ったもので、芸術的な至宝というべき出来栄えらしい。

 木製の天井も、木の風合いがすてきだ。

 塔には、牢獄もある。

 この柱はヤシの木とそれを囲む天蓋のようにみえ、楽園を表現したものらしい。サグラダファミリアの柱にも共通したものがある。

 外観はハムレットに出てくる古城のようだ。

 中庭のオレンジの木には、たわわに実がついていた。

 ラ・ロンハを出、時間があるので駅まで歩いた。
 市庁舎の前の小広場では、臨時のスケートリンクが設置され、びちょびちょに溶けた氷の上を子供たちが大騒ぎして滑っていた。

 あちらこちらのお店を覗き、アクセサリーを一つ購入し、ノルド駅到着。

 ノルド駅からは、ソローリャ駅までシャトルバスが走っていると、ガイドブックに書いてあったが、探しても、人に聞いても乗り場は分からなかった。結局、タクシーでソローリャ駅に向かった。
 駅では、セキュリティーチェック、バウチャーチェックとかなりの行列ができており、列車に乗れたのは、発車5分前、ギリギリだった。
 バレンシアは雰囲気がシックで、無理に開発された感じがなく、歴史ある建物も、自然に街の風景に溶け込んでいて、落ち着いた地方都市という感じだった。一方新市街地には、芸術・科学都市も建設され、どんどん進化を続けている街でもある。ほんの半日の体験だったが、のどかな気候に恵まれ、オレンジ色や、彩かな地中海ブルーがよく似合う街だ。市場にあったミモザの花やカフェのテーブルに飾ってあったオレンジ・・・な感じ。可能なら、今度は火祭りを見に来てみたい。

 サンツ駅には、予定通り18時に到着した。ランブラス通りに戻り、ホテル近くのサン・ジュセップ市場を覗いてみた。なんと、今日は開いているではないか!! 毎日この前を通っていたのに、今日初めてこの中を見ることができる。

 中はまだ、大勢の人で賑わっていた。さっそく、中を歩いた。バレンシアの市場より、広い。
果物のスタンドバーもある。

 シーフードの品数、店の数も多い。

 歩いているうちに、市場の中のシーフードのバルを見つけた。生牡蠣もある。ちょうど座席が二つ空いていた。席に着き、ビールと生牡蠣を注文した。

 2つづつ食べても、物足りない。今度はシーフードグリルの盛り合わせを注文した。

 イカやエビの風味が新鮮で、柔らかくて美味しかった。まだ、物足りない。生牡蠣をもう一皿。
これで満足。値段は58€。バルセロナらしい雰囲気で、バルセロナらしいものを食べられ、大満足。ホテルに戻り、そばをゆで、イチゴとリンゴでおなか一杯になった。本日の総歩数は、12495歩、いつも通り9時には就寝した。-続くー




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