バルセロナの旅  8・・フィゲラスへの日帰り旅



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12月30日(水)
 朝5時起床、今日はまた、サンツ駅からフィゲラスに向かう。フィゲラスは、ダリの美術館で知られている。アルト・アンポルダという地方の首都とのこと。
 以前、テレビで、ダリとガラという番組を見たことがあり、その印象がとても強かったので、ダリ美術館には、一度行ってみたかつた。ワクワク感満載!! シュールな世界、念願叶って実物が見れる。いざ、フィゲラスへ!! 


 片道130Kmの距離だが、AVEに乗ってみたくて、行きはAVE、帰りは指定のない普通の列車にした。こちらもユーレイルパスが使える。(AVEの指定席券は二等で4€) サンツ駅で朝食を買い、セキュリティーチェックを済ませ、念願のAVEに乗った。


 7時20分予定通りの発車だ。車内は新幹線と同じく、2等車なので、昨日のような朝食サービスはない。AVEはスペイン語で鳥の意味で、翼を広げた鳥が列車のシンボルマークになつている。2年前からバルセロナ、パリ間は乗換なしで、約6時間半で行けるようになったとのこと。揺れも少なく、時速250Kmと快適な乗り心地だった。


 約一時間、8時20分フィゲラスの新幹線駅に到着した。


 この駅は、日本で言えば、新横浜のような、AVE専用の駅だ。新しくて、市街地からは離れている。昨日のバレンシアの駅と同じように、フィゲラスにも、ふたつ駅がある。在来線の駅までは、シャトルバスが走っているはず。ホームに降りたら、予想外に寒かつた。このAVEは、フランス、リヨン行き、地図上で言えば、バルセロナより、北、やや内陸に位置するので、冷えるはず。ふるえながら10分程バスを待ち、シャトルバスに乗った。


 バスの中は暖かい。旧駅で下車し、市の中心部に向かって歩いた。
魚屋さんが多い。一軒目の魚屋さんを覗いてみたら、ほとんど冷凍もの、その代わり、品数が多い。二軒目は中で小太りの可愛いおばさんが、包丁で魚をさばいていた。あんこうのようにグロテスクな魚だ。スープにしたら美味しそう!!レストランのシェフだろうか。さばいた魚を内蔵ごと袋に入れて買っている。あったかいスープが飲みたい!!!
 しっかり昇りはじめた太陽は背中にじんわり暖か~~い! 小さな広場の脇にカフェが2軒ならんでいる。まだ寒いのに外でお茶している人もいる。私たちは、洒落た店内に入り、ホットチョコレートを注文した。冷えた体には、ありがたく、おいしい!! ほんとうにチョコレートを溶かしたように、ドロドロしている。付いてきたクッキーをチョコレートにつけて食べ、おいしかった。

 駅前の雰囲気と市街地の感じは、全然違う。駅前は、さびれた田舎町という感じだったが、中心部に向かうにつれ、ハイセンスなお店が並んでいたり、街全体の感じも洗練された感じがした。さっきの魚屋さんも、店内は、彩かな紺に近いブルーと黄色だった。道を尋ねても、みんなゆっくり、丁寧に笑顔で対応してくれた。ほんとにちょっとした事がうれしくなる。雑貨屋さんのウィンドも楽しい。ダリ風だ。

  広場にもダリの仕掛けがある。伸びた絵が柱に写るとダリの顔になる。

  ゆるい傾斜の道を登ったところにダリ美術館はある。ダリらしいモニュメントが出迎えてくれた。

 例の卵の外観はどうやら出口の方らしい。階段を登ると、もう長蛇の列だ。この美術館は、ダリが70歳の時に開館したとのこと。かつて市立劇場だったこの建物は、スペイン内戦中フランコ軍の爆撃により、ほとんど廃墟になっていたらしい。子供の頃から慣れ親しんだ建物を、なんとか再建したい、というダリの思いが詰まった美術館とのことだ。ダリといえば、あのヒュンと伸ばした細いヒゲ、道化的な表情が思い浮かぶ。しかし、本当のダリは、奥が深いらしい。


 さっそく入口の正面上方には、潜水夫やフランスパンを頭にのせた女性が立っていた。おもしろい!! 30分程待ちようやく入場できた。中心部は円柱型になつていて、中心部には中庭、中央のギャラリーホールがある。

 中に入るとすぐ、「雨降りタクシー」と題されるキャデラックが目に飛び込んできた。これは、エルンスト・フックスという画家の作品らしい。

 車のフロントには、大きな胸をした女性が胸を広げて立っている。1€入れると、車の中で雨が降る仕掛けになっている。ためしに雨を降らせてみた。中は、ビショぬれだが、内部はプラスチック製らしい。
 中庭を取り巻く壁面には、生の叫びをあげる人間の顔を持つオブシ゛ェが飾られている。ダリの言葉によれば、建物全体は、死の法則にのっとっていて、この場所は、戦争で失われた多くの魂がさまよっているとのこと。

 ガイドブックによると、ダリと同名の兄は、1年10カ月で病気で亡くなっている。亡兄の身代わりとしてのダリ自身の叫びが、彼の作品のもとになっているのではないか、と書いてある。 中庭の奥には、ホールがある。ホール正面には、大きな舞台背景画が飾られていた。

 フロア中央の長方形がダリのお墓らしい。

 その後方には、リンカーンの顔の中にガラが浮かび上がる絵があった。

 この絵を遠くから見るとこんな感じだ。


 その他印象深かった展示作品の写真を撮った。

 ガラを描いた絵が数枚あった。

  ソファのある部屋が、焦点のレンズを通すと、女優の顔になったりとダブルイメージの作品も多かった。




ダリといえば、溶ける時計が有名だ。


 その他、海岸の岩をモジッた作品、エル・グレゴ、ピカソなどの絵画や彫刻もあり、古典的なものから、キュビズム風のものまで、型を取り外した自由なあそびの空間を感じた。


 ダリはガラが亡くなった七年後、1989年に亡くなっている。つい最近まで生きていたのだ。詩人ロルカとの交流やガラとの出会いについては、テレビで見、感じるものがたくさんあった。そこには、たくさんのドラマがつまっていた。
 多くの絵に触れて、さらにダリの色々な側面が見えたし、ユーモアたっぷりのチャメッケがおもしろかった。
 美術館の外に出ると、よく知られている卵を飾った外観だ。この美術館は、ダリ自らがデザインしたものらしい。

 周辺のおみやげ屋さんにはダリのグッズが並んでいた。

 美術館の脇を下り、5分ほど歩いたところに、いかにも地元のレストランという感じのお店があった。中を覗いてみたら、そこそこお客さんが入っている。地元の人たちだ。

 今日のランチはここにしよう。ビール、アグア・コンガス(ガス入りの水)、それにサラダ、カタルーニャ名物、エスカルゴのようなカラコレス、それにパエリアだ。

パエリアは、サフランの色がきれいに出ていて、エビ、ムール貝、とてもおいしく、デリシャス!!!
これで36€、とても安い!!!
お店のランチョンマットには、このお店の賑わいが描かれていた。

 レストランを出て、駅までの道、迷ってしまった。スマホの地図アプリは表示が不正確で全くあてにならなかった。結局、スーパーのおばさんに道順を教えて頂き、無事、在来線のフィゲラス駅に到着した。


 フィゲラスの街は、ダリの影響もあるのか、公園、通り、あちこちにモニュメントや多彩なあそびの空間が目についた。お店のインテリアなども、思い切った色合いを楽しんでいる感じ。道を教えてくれた人たちのゆったりした笑顔も印象的だった。

 14:55分発、バルセロナ行の普通列車に乗った。車内は半分くらいの座席が空いていたが、バルセロナに着くころには、満席になつていた。ほぼ、各駅停車に近い、急行ぐらいの列車だ。犬を連れて乗って来る人、学生、大きなスーツケースを持っている人様々で、庶民的だ。知らない人どうし、男性も女性も大きな声で会話している。全然まわりを気にしてない。バルセロナに着くころには、すっかりお友達だ。別れぎわまで話がはずんでいる。この国の人は明るい。陽気だ。


 ただ車内の検札の様子には、ビックリした。検札のスタッフは、腰に手錠を下げ、その後に二人警官のような制服を着た保安官がガッチリ脇を固めているのだ。AVEや、ユーロメットにはこの様な光景はなかった。在来線は、改札がないので、車内検札が厳しいらしい。


 17:30頃バルセロナに到着。サンツ駅からはメトロでまっすぐホテルに帰った。バルセロナ泊も今日で最後になるので、夜の街にくり出した。


 初めにホテルの正面にあるカルフールのスーパーマーケットを覗いてみた。入口近くでは、中国人スタッフが、握り寿司づくりのパフォーマンスをしていた。中は奥行きがあり、広い。食品、雑貨、お土産品、お酒なんでも揃っていた。
 スーパーを出て、ランブラス通りを下り、カテドラルの方に曲がった所にバルが二軒あった。
一軒目はガイドブックにも載っていた「イエティ」、名が知れている店らしい。待っている人もいる。ただ、店内にはイスがなく、お客は立って飲んだり、食べたりしている。これが地元の本当のバルなんだろう。私たちは座りたかったので、もう一軒のバルに入った。

 カナッペ中心のバルだ。ビールとトルティーリャ、チーズのサーモン巻き、アボガドのアンチョビのせその他もう一皿を食べ、結構お腹一杯。

 バルを出て、カテドラルの方に向かった。裏通りなのに賑わっている。それぞれのお店にも客がたくさん入っている。通り沿いに小さな教会があり、広場に手作り人形、ハーブ、ハチミツなどの出店が出ていた。カテドラルの前には、骨董品マーケットのテントが並んでいる。裏の方から、ソプラノの美しい歌声が聞こえる。路上パフォーマンスだ。しばらく聴き入ってしまった。カテドラルのライトアップも美しかった。

 帰り路では、女子高生(?)15人の聖歌隊の路上ミニコクサートが見れた。クリスマスソンクグを天使の声で歌っていた。すばらしかった!!! あしたはこのバルセロナともお別れだ。ちょっとさみしい!!!
ホテルに戻り、少し荷物を整理し、10時頃には就寝した。本日の歩数16727歩。よく歩いた。
                                       



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