ちょっと旅~ 2016 京都・祇園祭り・その2~
いよいよ祇園祭りのハイライト、山鉾巡行当日、お祭りは一挙に盛り上がります。
毎年先頭を行く長刀鉾は、唯一生稚児が乗る鉾です。
稚児の登場です。今年は10才の男の子。
稚児の最大の役目は、四条通りに張られた縄を真剣で切り、巡行をスタートさせることなそうです。
人が多すぎて、その場面はみることができませんでしたが、稚児が刀を手にすると、一瞬、観衆のざわめきがシーンと静まりました。縄を切り落とした瞬間、拍手が沸き起こり、さあ、始まるぞ~~~っ!!!という高揚感が・・・・・・・。
内容が前後しますが、巡行開始まで時間があったので、朝一番で三十三間堂、知恩院を散歩しました。
中は撮影できなかったのですが、中には、全部で1001体の等身大の千手観音が。
圧巻でした!!!
平安から鎌倉時代の作品とのこと。風神、雷神像もすばらしかったです。
三十三間堂前のお堂に、こんな石仏が・・・・・。
三十三間堂向かいの京都国立博物館の入口です。雰囲気がすてきでした。
堂々たる知恩院の山門です。とにかく大きい!!!
日本最大級の木造門で、1621年の建立、7万枚もの屋根瓦が使われているそうです。
いよいよ長刀鉾のスタートです。鉾の上では「太平の舞」が舞われています。稚児は立ち上がり、体を大きく揺らしています。後ろで大人の方が稚児の体を動かしているようです。
長刀鉾の後ろに飾られている垂れ幕、見送(みおくり)と言われ、今年新調されたものなそうです。
今時話題の、生誕300年となる江戸時代の画家、伊藤若冲筆、「旭日ほうおう図」が つづれ織りに仕上げられたそうです。
大変貴重ですご~~~~い高価だと思います。
なんと!!! 製作に3年かけたと。絹糸と本金糸約800色で表現しているそうです。
函谷鉾です。この装飾も豪華です。木製の車輪は、時々くさびを入れ向きを修正していました。そのたびにギコンギコンときしむ音がしていました。
月鉾です。大勢の人が山鉾を引いています。
孟宗山、脇を飾っているのは「砂漠らくだ行(月)」。原画は平山郁夫とのこと。
山鉾は、桃山時代から江戸時代にかけて、中国、インド、ペルシャなどからシルクロードを経て持ち込まれたタペストリーや、京都の金襴、西陣織などの装飾、左甚五郎作などの彫刻や、工芸品で豪華絢爛に飾られるようになり「動く美術館」と呼ばれるようになつたそうです。
どの山鉾にも美術的にも価値のある、高価な装飾品が掲げられているようです。
巡行順を京都市長が確認する「くじ改め」の様子です。
子供たちも楽器の演奏、踊りを披露していました。
この先もう少し進むと山鉾巡行のクライマックス、「辻回し」が見れるのですが、残念ながら人が多すぎて、これ以上進むことはできませんでした。
「辻回し」とは、木製の車輪の下に青竹を敷いて、無理矢理山鉾を90度ターンさせることで、10トンもの鉾を人の手で回転させる豪快な方向転換なそうです。
新京極のアーケードを脇道にそれると、風情ある路地が・・・・。
路地の中ほどに ちっちゃな神社がありました。
心しづかに手を合わせ、お参りしました。
お祭りの喧騒を離れ、今度は京都観光へ。
地下鉄とバスを乗り継いで、金閣寺に行きました。
何年か前に来たのですが、改めて圧倒されました。
やはり世界に誇れる日本の遺産だと思います。
かがやいてはいるのですが どこか奥ゆかしい感じです.
湖水に映る金閣寺すてきです。
蒸し暑さでバテバテ・・・・・・お庭で頂いた白玉抹茶氷、とっても美味しかったです。
金閣寺からバスで龍安寺へ。緑深い境内は静寂につつまれ、
スーッと涼風。・・・・。気持ちいい!!!
龍安寺は何度か火災に合い、現在の建物は1797年、西源院という場所から移築したものとのこと。
みどり彩かな鏡容池、蓮の花が咲いていました。
池のほとりにボート小屋が、船を出して和歌を詠んだりしたのでしょうか。 優雅です。
有名な龍安寺の石庭です。室町時代の優れた禅僧によって作られたものと。
意味はいまだ謎に包まれているそうです。
土塀も独特な風合いを出しています。
銭形のつくばい。(吾、唯、足、知)と書かれているそうです。禅の格言を謎解きに図案化されたものなそうです。当時の人は、凝っています。
方丈内に書の展示がありました。
「火の用心」ぼかして龍の絵もあり、何とも味があります。
かわい~~~~いっ!!!!! 蚊取り線香入れ。 禅な空気に和みます・・・・・・。
再びバスに乗り、世界遺産の仁和寺へ。
平安時代、888年の建立と。明治維新までは御室御所、現在は、真言宗の総本山とのこと。とってもひろ~~~~い奥行きのあるお寺でした。
皇族門です。
玄関をを入ってすぐ、仁和寺の華道流派、御室流の生け花が飾られていました。
雰囲気すてきです。
皇帝の間、内装が豪華絢爛、極彩色の襖絵・・・・・、意気をのむ美しさでした。
白川砂がしきつめられ、簡素な美を表した南庭です。
人も少なく静寂な空気・・・・・。落ち着きます。
こちらは北庭、木立の中に茶屋、遠くに五重塔(重要文化財)が見えます。
仁和寺を出てバス通りへ。和食屋さんで湯葉定食を頂きました。生麩の田楽も付いていて、とっても美味しかったです。
それにしても、よく歩きました。足の裏がジンジン・・・。
しばらく座りっぱなしで休憩しました。
通りを歩いていたら、こんな粋な足袋が・・・・・・。
再びバスに乗り妙心寺へ。境内のなんと広いこと。
いくつものお寺の中で、ちょっと寂れた感じの桂春院へ入ってみました。
勘が的中。庭園がとってもすばらしかつたです。
このやわらかい緑、苔むした庭、わび、さびなちょつと朽ちた感じの雰囲気・・・・。
しばらく縁側に座り込み、あじわいました。す~~~~~っと洗われた感じです。
最高!!!!! に 素晴らしかったです。
16時からの神幸祭(神輿の巡行)を見に、また、祇園界隈に戻ったのですが、もの凄い人に圧倒され、帰りの新幹線の時間も気になり、こちらは諦めました。
神幸祭は、3基の神輿が氏子の家々を巡回しながら四条寺町を巡る勇壮で威勢のいい巡行とのこと。
脇道に入ったら風情ある路地・・・。
こんな手ぬぐい屋さんが・・・・。
妙心寺の庭園に咲いていた蓮の花。淡いピンクの凛とした姿は見ていて心が落ち着き、
背筋も伸びる感じです。
昨日山鉾町の旧家で見た屏風祭りです。
屏風祭りとは、祇園界隈に住む町の人が、お祭りを盛り上げるために、自宅にある美術品や調度品などを家の中に飾り、お祭りに来た人に見てもらうことなそうです。
町並みの中で、その家の空気をまといながら素晴らしい屏風が展示されていました。
祇園祭りの時だけしか一般の町家の家宝を見ることができないので、貴重な体験でした。
2日間の京都祇園祭の旅、まるで別世界でした。
京都の空気感、京言葉、京都の食べ物、禅の心、枯山水の静寂・・・・
豪華絢爛、勇壮な祇園祭り・・・心身ともに癒され、たくさんの力をもらった
とっておきの旅でした。